たぐらかす。

たぐる、ちらかす、はぐらかす。

ひな段々

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入り口でひなあられを買い求め、雛人形の並べられた通路を抜けたらそこではカルピスが売られていた

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「あれって全部結婚式なのかしら」
「あー? あぁ、どうなんですかね」
「……ずっとあの格好で暮らしてる?」
「普段着ではないでしょうねぇ」
「子どもの時も出たけどさ、ひなあられとカルピス。人形のこと覚えてないんだよね。立体じゃなかった気がする」
「こいのぼりを折らされた気が」
「あー、折ったかも。おひなさま折ったかも……なんで桃だと結婚式で、端午の節句は鯉なの!?」
「あれも家族でしたよ、確か」
「あー……そっか。でも、結婚式も、子どもも、見ないね」
「見ないですね」
「子どもの頃にしか子ども見てない」
「子どもの頃にはいっぱいいましたけどね」
「ね」

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二月逃げる

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「でも気になるところあったら教えてくれるでしょ」
「それはまあ……結果僕にも関わってきますし」
「ありがたい」
「いやあの、でもねえあの。勝手に読んですみません」
「別にいい」
「だからそうじゃなくて」

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とうとうこちらに貼り付けるのがハイクでの投稿から一年遅れになっており)

 

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ココア押し付ける

ここ、前、あのー、おね……ご夫婦がやっておられませんでしたっけ。

ああ、若いからねえ。今しばらく居ないの。
お役目なの。わしは代わり。

かわり。

代わり。

前の…あっ前の前のおかみさんとか?

おかみさんじゃないけどねえ。
回ってきたからやらせてもらってるよ。あんた前にも来たの。

はい。

とまってくの?

はい。あ、もひとり来ます。

ん。はい。部屋あいてますよ。ありがとうございますう。
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ところで失礼なんですが
おじいさん? おばあさん?

わし? わしはじいさんよ。
 

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いなかったの、残念なんだ。
ちょっと話を聞いてみたかったんだ。

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花粉

 

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 節分の前に豆を撒いて騒ぐのは、春が来ればまたふわふわと花粉が降り出して、黄色く黄色くみっちりと積もってものにまとわりついていくから。回るものが回らなくなる。壁も屋根も道も黄色く分厚くなる。

 騒いで、籠る春に備える。

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布団の中に夢がいる

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「だって君いないんだもの、寒いのに」

「椅子に詰め合わせになるこたないと思いますよ」

「うん」

「うん、って」

「だから。八つ当たりだから」

「やつあたり」

「ゆめが……目が、覚めて寒かったから! ……だからぁ……だから」

上掛けからはみ出したやぶにらみの顔が、ゆっくり嫌そうにぱち、ぱちと瞬きする。

「八つ当たりだから。ごめんなさい」

「……構いませんよ」

「重かったでしょ」

「軽いですよ」