たぐらかす。

たぐる、ちらかす、はぐらかす。

ひとりであるいている

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強盗に怯える男が、家を手に入れた。学習能力を持つ最新監視機能を備えているというふれこみで、警備会社と特別な契約を交わした。男は自分にしか価値はわからないと信じる蒐集物と共に暮らしていた。オートロックに設定した扉が鍵を閉める音を毎日確かめながら、男は心底安堵していた。どれだけ自分が鍵を閉め忘れても、もしわざと鍵を開けたままでいたとしても、勝手な侵入が行われることはないだろう。果たして監視機能は学習能力をフル活用し、男が心の底のそこに押し込めていた、この誇らしい蒐集物への理解を分かち合える誰かを希求する、それが強盗であっても構わない気持ちを見事に察知して、通りすがりの人間を丁寧に屋内へ招き入れることに成功した。閉まっていた鍵は音もなく開けられ、待望の客人は家の主人に会わぬまま魅入られたようにコレクションのいくつかを手に握りしめて何処かへ去り、そして鍵はまた静かに閉まった。警察は首を振り、警備会社は二度と同じ契約を交わすことはなかった。けれども家には秘密の値段が付けられて、まるで誰かが住んでいるかのように時々手が入る。

 

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蝶は閃く

...... (うっかり「結び目曲がってませんかそれ」とか言ってしまって「... - id:neguran0 - neguran0 - はてなハイク

↑こちらより 現在2017年2月、twitterの企画「ヘキライ」でお題 [蝶結び] を拝見してこれ以上自分が無自覚に蝶結びできゃっきゃしたことないな、と思い出されたものの記事にまとめていなかったことに気付いたのでいまさら。

 

 

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 うっかりしていた。後ろ姿に声をかけてしまった。

「結び目曲がってませんかそれ」

振り返ったブラウスの上、首を包む幅広の布。身体の前を覆う菱形の布につながっている。柔らかい色合いに騙されるが、形だけ見れば金太郎の腹掛けと同じだ。

「ふうん? 後ろ見えないからわかんない」

「縦結びになってますよ」

「被依頼人直せる?」

問われて、それはもちろんなおせる、と反射的に指を伸ばしてつかんだ端をするりと引いてほどけた瞬間、しまった! と心の内で叫んでいる。

己の不明を恥じる。

どうしようもない。

だからきちんと蝶結びにしてやった。結び目の向こうをつっと引っ張ると結び目が締まる。そうか。内側からは、ほどけないんだな。

「ハイデキマシタヨ」

「ありがとー」

春ならば

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※先日描いた三つ編み少女はこちら

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「……まあ顔だけでも嫌われてないようでよかったですよ」
「ふぇ?」
「気にしなくていいです」
「わたし別に被依頼人に嫌いなとこなんてないよ?」
「……それは、どうも」
「いや。うーん。ないか?」
「それ結論出さなくていいですから外出てもらえませんか、着替えますから」

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余談ねこ

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