「本当は君の方が似合うと思うんだけど」
「これ、女物でしょう」
「ほら、似合う。ふふ」
「まさか僕がするんですかこれ?」
「んぅん? 折角自分で買ったんだから頑張って着けるよ? 着けてるの見たかっただけ」
(頑張ってなのか)
「君こういうの似合うよ」
もう一度指が鎖を持ち上げて、小さな金具をそっと外す。銀色の連なりが指先に引かれて肌から離れるのが、微笑んでいるのが、くすぐられているように苦い。
「どうでしたか」と問われて
「……役に立ててたのかわからない」
と眉が下がる。
「もう長袖を着ればいいと思いますよ」「苦手なんだよう」
「マフラーとか」「無理」
「あの腕につけるやつ(←アームウォーマー)出しましょうか?」「冬にする」
*1:疲れがたまっていたせいで、38.2℃の熱が出て、ぼーっとしながら、だるそうな様子で病院に強制連行される被依頼人くれるって言ったじゃないか
https://shindanmaker.com/492871 という診断メーカーの結果が出たので