2017-08-03 細い小さな鎖 ハイクより 難燃過護 「本当は君の方が似合うと思うんだけど」 「これ、女物でしょう」 「ほら、似合う。ふふ」 「まさか僕がするんですかこれ?」 「んぅん? 折角自分で買ったんだから頑張って着けるよ? 着けてるの見たかっただけ」 (頑張ってなのか) 「君こういうの似合うよ」 もう一度指が鎖を持ち上げて、小さな金具をそっと外す。銀色の連なりが指先に引かれて肌から離れるのが、微笑んでいるのが、くすぐられているように苦い。